開催趣旨

フィールドミュージアムOPEN AIR LABは「自然との共生」を理念として活動しています。ここでいう「自然」には、環境、植物・動物・細菌、のような「外の自然」だけでなく、私たち自身に備わる「内なる自然」も含まれます。それは例えば、身体、欲求、知性、感情、病、性、老、死、などです。本シンポジウムの基調講演者である山極壽一さんは、近著「共感革命」で、人間の共同体の構築と維持を可能にする「共感」が、言語の関与により、戦争を引き起こす原因にもなることを指摘されています。同じく、基調講演者である河合香吏さんは、その多様な研究展開の中心に、五感によって感得される物理的実体としての「身体」を常に置いてこられました。「共感」と「身体」は、どちらも私たちの「内なる自然」です。本シンポジウムでは、お二人とともに、新しい時代の「教育」を「内なる自然との共生」の観点から議論したいと考えています。

開催概要

日程:2024年7月20日(土)13:30~17:00
会場:帝京科学大学東京西キャンパス内ブリコラ、Zoomウェビナー
費用:無料

申込
オンライン:https://oal5symposium.peatix.com
会場参加:https://forms.gle/fgV594pb53rgGevu8

▼プログラム

13:30 開会・趣旨説明
13:50 基調講演1 河合香吏 「身体という『自然』:東アフリカ牧畜民の身体世界と『共感』のなりたち」
14:40 基調講演2 山極壽一 「(未定)」
15:50 コメント「共感・直感と自然主義 〜答えのない問いに向かう教育〜」(冲永莊八)・ディスカッション(山極、河合、冲永、西條、藪田)・質疑応答
17:00 閉会

▼基調講演者

山極 壽一(やまぎわ じゅいち)
総合地球環境学研究所所長 京都大学前総長

京都大学理学部卒業、理学博士(京都大学)、専門は人類進化論。屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地で野生ゴリラの社会生態学的研究を行う。日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長、日本学術会議会長など歴任。南方熊楠賞、アカデミア賞受賞。著書:「人生で大事なことはみんなゴリラから教わった」「スマホを捨てたい子どもたち-野生に学ぶ『未知の時代』の生き方」「共感革命-社交する人類の進化と未来」「森の声、ゴリラの目-人類の本質を未来につなぐ」など

河合 香吏(かわい かおり)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授

北海道大学文学部卒業、博士(理学)(京都大学)、専門は生態人類学。ケニアやウガンダで生態人類学的研究を行う。著書・編書:「野の医療 牧畜民チャムスの身体世界」「生きる場の人類学 土地と自然の認識・実践・表象過程」「集団 人類社会の進化」「関わる・認める」など

▼ディスカッサンツ

冲永 莊八(おきなが しょうはち) 「共感・直感と自然主義 〜答えのない問いに向かう教育〜」
帝京科学大学学長
専門は宗教学/倫理学/哲学、京都大学文学部卒業、博士(人間・環境)(京都大学)。

西條 富美代(さいじょう ふみよ)
帝京科学大学理学療法学科学科長
専門は地域理学療法学、明治学院大学社会学部卒業、博士(工学)(日本大学)。

藪田 慎司(やぶた しんじ)
帝京科学大学OPEN AIR LAB館長
専門は動物行動学、京都大学理学部卒業、博士(理学)(京都大学)。

▼お問い合わせ

帝京科学大学東京西キャンパスOPEN AIR LAB
museum@ntu.ac.jp